2008年06月28日

千葉教育大賞創設記念シンポジウム

今日は、千葉日報主催のシンポジウムに参加してきました。

テーマは「いま、若者に何が起きているのか―自立支援の現場と学校で」というもので、いわいる現代の若者の格差問題について、支援に直接携わっているパネリストからの報告がありました。

放送大学教授の宮本みち子先生のお話を聞いて、普段私が考えていたことを改めて整理することができました。

宮本先生のお話を中心に書きます。

今、日本で起きてるニート、フリーターなど若者の貧困問題は、日本だけの特有の現象ではなく多くの先進国で共通する課題であるとのことです。

その理由は、企業の高度化により、社会で求められる高度な知識を持つ人材にまで育てるまでの期間が長期化したためです。(これを「大人への長期化」という)。かつては高卒でも安定した職業につくことが出来たが、現在では一部の優秀な人材のみが市場で引く手あまたの状態になっています。名門大学を卒業しても正社員にさえなれない人が大勢いることは、若い世代であれば誰もが実感しているのではないでしょうか。

大人になることが長期化したことで、子どもを高度な人材に育てられるかどうかは、親の教育水準や家庭の財力に大きく起因することになります。

そうした環境が家庭にない場合、子ども達は中学から社会人になるまでのいずれかの段階でフェードアウトする可能性が多いのです。

ヨーロッパなどの先進国ではこうした問題が90年代に顕著になり、公的な福祉政策によって改善させる道をとりました。例えば、経済的問題や虐待などにより家庭が崩壊してしまった子ども達を社会で守り、企業で活躍できるまで継続的にサポートする仕組みを整備していきました。

しかし、日本はいまだに「家族主義」と「企業福祉」の観念が強く、「公的福祉」の整備が遅れているといわれています。

つまり、子ども(人材)の育成は家庭と企業が行うものという考え方です。

しかし実態はどうでしょうか。経済のグローバル化により企業は徹底したコスト削減を求められ、非正規雇用が拡大すると共に、かつて日本の社会保障を支えていた「企業福祉」が保てなくなっています。

さらに、家庭においても、長期の経済不況により子どもの教育費を経済的に確保できなかったり、さらに深刻なのが、子ども達と直接に向き合っている人たちの中では、教育に無関心な親が増えているという実感を持っているそうです。きちんと子どもを育てることの出来ない親が増えているのです。

もはや人材育成を「家庭」と「企業」に任せるという政策を大転換する必要があるのです。

最近になってようやく国も若者の自立支援を重視し始めています。自立できない若者が増え続ければ、社会保障制度など国の根幹が瓦解することになります。

まず公的部門は、中卒や高校中退などで定職につけない若者を積極的に支援していくべきです。彼らの多くは家庭に問題を抱え、決して自らの責任でニートやフリーターになったものではない場合が多いのです。
posted by 鈴木友音 at 20:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする