2010年07月28日

教育未来委員会視察

月曜日から3日間、教育未来委員会で神戸と岡山に視察に行ってきました。

内容としては、神戸市では、総合地域スポーツクラブ、保育送迎ステーション、岡山市ではコミュニティスクールと児童館の視察を行ってきました。

千葉市とは地域性が異なるので、先進的な事例を見ても、そのまま「輸入」することは非常に難しいことです。今回の視察で印象に残ったのは、保育送迎ステーションとコミュニティースクールでした。

保育送迎ステーションとは、待機児童の多い都市部で、土地の確保などの問題で駅近くに保育所が設置できないため、既存の保育所から少し離れた分園までバスで送迎する事業です。

保護者は駅近くの既存の本園に子供を預けに行き、子供たちはバスで20分くらいかけて2か所にある分園にそれぞれ移動します。分園は幼稚園の空き教室を改装して利用されています。

実は女性の社会進出などの影響で保育所のニーズは高まっていますが、幼稚園は少子化の影響で定員割れをしている園は少なくありません。どの自治体でも幼稚園の空き教室の有効利用についていろいろと考えていますが、手法の一つといえます。

幼稚園の有効利用もできて、保護者は利便性も高く待機児童の緩和にもつながって、一石二鳥ですが千葉市でもできるかといえば、なかなかそうはいきません。

そもそもこの神戸市の事例でも、保育所と幼稚園の運営者が同じ理事長で、しかも、幼稚園のスクールバスや空きスペースの確保など、偶然良い条件が整っていたためにできたものです。そのため、神戸市で同様の仕組みが今後も増えるということはあまり考えられないそうです。

まったく異なる事業者が業態の垣根を越えて実践するには、多くのハードルがあるでしょう。

それから岡山市のコミュニティースクールは、これも学校ごとに特色が全く異なるので、一概に参考事例にはならないのですが、非常に感心した取り組みが行われていました。

岡山のコミュニティスクールは中学校区単位で設置しており、幼稚園、小学校、中学校まで、一体として地域で子供たちを育てるという方針で行われています。

全国的にこういう事例は聞いたことがありませんが、なぜ、こうした仕組みができたのかといえば、岡山市のとある中学で校内暴力などが多発するいわいる「教育困難校」があったためです。

この中学校では、生徒の半分以上が貧困家庭であったり、地域的にも複雑な問題があって、30年前くらいから荒れた学校だったそうです。

なんとか立て直そうと、校長や教頭が様々な取り組みを始めたのですが、なかなかうまくいかず、最終的には、もはや学校の力だけではどうにもならないということで、地域社会に助けを求めたのがコミュニティスクールの始まりだったのです。中学校区域をコミュニティスクールとしたのは、中学校で問題が起きるのは、その前に原因があるから、一体として教育を行う必要があると考えたからだそうです。

コミュニティスクールとして指定してから、様々な取り組みを行っているのですが、例えばシニアスクールといって、空き教室を使って高齢者が高齢者に授業をする学校を開設しています。そしてシニアスクールの生徒が、幼稚園や小学校の子供たちに昔の遊びや勉強などで日ごろから交流しています。また、学校行事に地域の人が手を貸したりと、地域ぐるみで学校をよくしていこうという頑張っていました。

その結果、生徒にも落ち着きが見られ、勉強や行事にとりくむ姿勢を取り戻したそうです。こうした成功例を背景に岡山市全体にコミュニティスクールが広がっています。

文章にすればこんなものですが、実際には教育困難校を立て直すまでに8年かかったというのですが、先生も地域もたいへんな努力をしたことがうかがえます。学校も様々な課題を抱えており、解決方法も一様ではありませんが、「頑張りすぎて抱え込まずに助けを求める」、そのために「情報を発信ししていく」ことが、学校をよくするための第一歩ではないかなと思います。
posted by 鈴木友音 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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